自称S級建築士による理想の家づくり

理想の家を1回で建てましょう

05.ペアローン(収入合算)のメリット/デメリット

こんにちは。Tです。

 

前回の記事ではペアローンに関して簡潔に1番のデメリットを記載しました。見てない方はこちらから是非どうぞ『04.住宅ローンのよくない借り方

デメリットからの紹介になりましたが、ペアローンは様々なメリットもあります。今回は収入合算も含めて紹介したいと思いますが、その前に収入合算とペアローンの違いを説明してからにしましょう。

 

ペアローンと収入合算の違い

一言でいってしまえば、2つとも夫婦収入を合わせてローンを借入れる事です。

大きな違いは、ペアローンはそれぞれ夫婦でローンの契約するのに対して、収入合算はあくまで夫(もしくは妻)が主となって契約する、という事です。ざっと違いが分かったところで、早速特徴について記載していきます。 

 

ペアローン/収入合算の特徴

  1. 1人では借りたい金額が足りなくても2人なら借りれる
  2. 家の所有権の違い
  3. 万が一の時の団信効果

ちょっとメリットデメリットが混在しますがご了承下さい。

 

◆1人では借りたい金額が足りなくても2人なら借りれる

前回の記事で主にデメリットで記載した内容ですが、考え方を変えるとメリットです。どうしても譲れない設備を入れたいがお金が足りない、立地条件を考えると土地はここしか買えないが土地が高い…など、家づくりの中でもっとお金を掛けたい事案が発生した時に、ペアローンにする事でお金をもっと借りる事ができます。

 

◆家の所有権の違い

この家は法的に誰のものか?という事ですね。例えば夫が住宅ローンを組んで、家を購入したのであれば、その家は当然ですが夫のものです。ペアローンで夫婦2人で住宅ローンを組んだ場合は、夫婦2人のものになります。そして収入合算の場合は、主たる契約は夫(もしくは妻)になるので、家は夫のものになります。

妻も所有の名義が欲しいとなればペアローンで夫婦の名義になりますし、妻の親(義親)から頭金を出してもらったりすると、さすがに夫だけの名義は悪いだろうという事でペアローンを組んで夫婦の名義にしたりします。夫より妻が稼ぎ頭のところもペアローンを組む人は多いです。収入合算では妻も力添えをするのに家の名義は夫だけになって納得いかない!となる人もいるも思うので、そうなればペアローンという選択になります。

ただ夫婦の共有名義となった場合、察した方もいるかもしれませんが、離婚してしまった場合が中々面倒な事になります。離婚をきっかけに家を売却となれば、売れたお金を分けて終わりなのでそこまでの手間はないのですが、お互いの意見が噛み合わない時は話を進められず、ただ放置状態の家になったりします。また片方が継続して住む場合等も以外と面倒なステップを踏む必要があります。

夫婦でマイホームを考えている人は、大体幸せの真っ只中で購入を検討しているでしょうから、この段階で離婚の事なんてあまり考えませんし考えたくもないでしょうが、こういったリスクもしっかり把握しておきましょう。

 

◆万が一の時の団信効果

団体信用生命保険、略して団信ですが、ペアローンの場合はもちろん団信にも影響があります。団信を簡単に説明すると、ローン契約者が返済中に重病や亡くなってしまった場合、残りのローンが無くなるという保険です。

ペアローンで借入れた場合、団信もそれぞれの適用になります。例えば5,000万円の家を購入した際、夫3,000万円、妻2,000万円でローンを組んだとします。この状態で夫が亡くなってしまった場合は、3,000万円はチャラですが、妻が組んだ残りの2,000万円は引き続き支払い義務があります。もちろん逆も言えますのである意味リスクヘッジかもしれません。

ちなみに団信は必ず入る必要はありません。不要という人もそれなりに多いです。結局保険ですので、お金を払ってリスクに備えますか?というものです。私は保険に関しては最低限で良いと思っている派なので、自身で加入している保険は最低限にしているつもりですが、団信は入った方が良いかな?と思う保険です。超高額な買い物ですので、買って自分が死んでしまい、残された家族の事を考えると、私の場合は団信に加入していないととても家族がこの先幸せになれるような未来が全く見えません。正直死んだ悲しみよりこの先の経済面が不安でしょうがなくなると思います。

これはある工務店の営業マンからきいた話ですが、家を建てて引き渡し後、1週間もしない内に夫が不慮の事故で亡くなってしまったと。夫名義で団信に入っていたので、この時点でローンが無くなり、実質タダで家を建てたような状態になったみたいです。この奥様も最愛のパートナーが亡くなり、悲しみの真っ只中ですが、この先また新たな人生として歩んでいけるかと思います。ちなみにこの奥様は、その後すぐにお家を売却したらしいです。恐らく悲しい思い出にもなるし、残された奥様と子どもだけでは家が広すぎたのでしょう。夢のマイホームなので苦渋の決断だったと思いますが、まだほぼ価値も下がってないでしょうから、賢明な判断だったと思います。

 

さて、最後少々脱線してしまいましたがいかがだったでしょうか。ペアローン、収入合算について理解できましたかね。デメリットもありますが、魅力も十分伝わったでしょうか。1番適した借入れ方は家庭の事情により全く異なります。何となくで後先考えずに契約するのではなく、内容を理解した上で自分達にとって1番最適な借り方を考えてみましょう。